反応はほとんどの場合有機溶媒中で行われます。また分液後、カラム後など様々なシチュエーションで、化合物は溶液の状態になっています。

有機合成では、大抵の場合最終的には有機溶媒を除去する必要があり、それを行う装置がロータリーエバポレーターです。

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エバポレーターの全体図

エバポレーターは、例えば下の模式図のような全体構造をしています。
エバポレーター

ロータリーエバポレーターの仕組み

簡単に仕組みを説明します。

ポンプによって減圧にすることにより沸点が下がった溶媒が、温浴によって温められて蒸発します。蒸発してきた液が冷却装置によって凝集して液に戻り、溶媒受けに溜まるという仕組みになっています。

フラスコを回転させることによって溶液の表面積を増やし、蒸発の効率を高めています。

ロータリーエバポレーター使用の手順

エバポレーターの使い方を簡単に書いていきます。かならずしもこれが正解というわけではありませんので、参考程度にしてもらえると幸いです。

1. まずは冷却装置を起動します
2. フラスコに飛ばしたい溶液を入れ、エバポレーターにセットします
3. 水浴にフラスコを付けて回転させます(できればまだ加熱はしない方がいいです)
4. ゆっくりと圧力を下げていきます。
5. 最後に水浴を加熱します
6. 様子をみながら温度、圧力を調節しながら溶媒を飛ばします
7. 溶媒を飛ばし終わったら、減圧を止め、コックにより開圧します

コツ、注意点

★突沸に注意

エバポレーターを使用する上でで一番やってしまうミスが、突沸です。

突沸というのは、溶液が急激に沸騰する現象で、これによって溶液ごと受け槽まで来てしまうことがあります。こうなってしまうと受け槽の溶液をもう一度フラスコに戻してやり直すしかありません。

これを防ぐための一番の対策は、フラスコに液を入れすぎないことです。多くてもフラスコの半分の容量くらいにしておくことにより、突沸しづらくなると思います。突沸させてしまうと時間のロスになるだけでなく、やる気も下がりますしね。

★大きなフラスコを使う時は、首が折れないように注意

大きなナスフラスコを使用する場合(特に1L以上)、その重量はかなりのものになります。その重量が全て接続部分にかかると、ポキっとおれてしまうことがあります。

そうならないためには、まずフラスコを接続すると同時に温浴にフラスコをある程度沈めることが大切です。こうすることで、浮力により上向きの力が加わるため、接続部分にかかる下向きの力を和らげることができます。

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