DMF(ジメチルホルムアミド)は、非プロトン性極性溶媒で、様々なものをよく溶解するので有機合成ではよく使われます。しかし、沸点が高いためにエバポレーターで除去するのは至難の業です。

そこで、今回はDMFの除去方法について紹介しようと思います。

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DMFの除去方法2つ

★水をぶちこんで固体を濾過

この方法が使えるのは、「目的化合物が固体で、かつ水溶性がないこと」が条件になります。

DMFは水溶性の溶媒なので、水と混ざります。だいたいDMFの2倍くらい(目安)の重さの水を入れると目的物が析出してくるので、それを濾過して、残渣を水でしっかり洗浄すればほとんどDMFはいなくなります。

 

★分液での除去

目的物が液体の場合、上記の方法は使えません。そんな時は、分液でDMFを取り除く方法があります。

DMFの3倍の重さ(もっと少なくても行けるのかもしれませんが、私はこのくらい使います)の水を入れ、酢酸エチル/ヘキサン=1:4、もしくはジエチルエーテルで抽出します。その後に水で3回洗浄するとDMFはほとんどいなくなります。

これは上記の抽出溶媒を用いた時、DMFが溶媒よりも水の方に溶けやすいことを利用しています。

 

注意点、その他

今回紹介した方法は、水溶性の化合物の場合は目的物まで水に溶けてしまうため使えません。そういった時にはやむを得ず減圧で飛ばすしかありませんが、かなりの熱をかける必要があるため、目的物が分解する可能性もあります。

またDMFに限らず、水をぶちこんで濾過という方法は、水溶性の溶媒であれば何でも大丈夫です。分液での除去は、私はDMF以外で試したことがありませんが、DMSOやN-メチルピロリドンなどの溶媒でも行けるかもしれません。誰か試してみてください。

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