ハロゲン溶媒の中でも、クロロホルムは溶解性や適度な沸点のためによく使われる溶媒です。
しかし、他の代表的なハロゲン溶媒であるジクロロメタンや四塩化炭素と比べると、不安定な化合物なのです。
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光や酸素で分解してホスゲンを発生
意外と知らない人が多いですが、クロロホルムは、光や酸素の存在下で分解して有毒ガスであるホスゲンを発生します。
そのため、市販の試薬などには安定剤としてエタノールやアミレンが添加されています。
反応溶媒に使用する際は安定剤に注意
クロロホルムを反応溶媒に使用する機会は、そこまで無いかもしれませんが、もし反応溶媒として使用する場合は、安定剤が入っていることを考慮する必要があります。
安定剤としては、最もスタンダードなものとしてエタノールが入っています。なので、エタノールが反応を阻害する恐れのある場合、溶媒を変えるか、安定剤の種類を変える必要があります。
市販の試薬の場合は、エタノールの他に、アミレン(1-ペンテン)が安定剤として添加されているものもあります。酸クロなどの場合は、こちらの方が良さそうです。
クロロホルムを回収する時は注意
クロロホルムは、エバポレーターを使えば簡単に回収することができます。
しかし、回収したクロロホルムには、安定剤が無くなっていることが多いため、そのままの保管は危険です。
もし回収する場合には、自分で安定剤を添加するなどの処置が必要と考えられます。
今回はクロロホルムについて書きました。便利な溶媒ですが、上記の点や、ハロゲン溶媒なので、発がん性があるかもしれないということから、特別な理由がない限りはあまり積極的には使わないほうが無難かもしれませんね。
「基本的な有機溶媒」