有機合成の実験でよくあることとして、ガラス器具のスリ部分が外れなくなってしまうことがあります。
スリが外れなくなるパターンによって外すための有効な方法というのは違ってくるので、いろいろと試してみるしかないのですが、今回はいくつかの外し方のパターンを紹介します。
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ガラススリの場合
・左右にグリグリと力をかけてみる
まず外れなくなったらこちらをやってみます。下図のように力をかけてみると、少し外れずらくなったスリなら外れることが多いです。力加減を間違えると割ってしまうので注意しましょう。
・ヒートガンであぶってみる
ヒートガン(ドライヤーでも可)でスリ部分を加熱します。これが有効なのは、有機化合物が固着している場合ですね。加熱することによって固着しているものが溶けると外れます。
・溶媒につけて超音波
上の2つでダメなら、スリ部分を溶媒につけて超音波にかけてみます。容器の中身が入っている場合は出しましょう。固着している物質に心当たりがあれば、それを溶かせるものにつけましょう。
・木槌などでたたく
最終手段です。スリが固着している箇所を、木槌などでコンコンと叩きます。一か所だけでなく、角度を変えたりして満遍なく叩いてみましょう。
とりあえず最初は軽くたたいてみて、全く手応えが無かったら破壊覚悟で強めに叩くしかないかもしれません。
木槌でダメな場合は、金属製の金槌の方が良い感じの時もありますが、破壊の確率が上がるので推奨はしません。
テフロン性のジョイントの場合
ガラススリではなく、テフロン性のジョイントを使う場合がありますが、テフロン性ジョイントの場合、外れなくなる理由としてはだいたいテフロンの膨張です。
テフロンジョイントの場合に限り、外れなくなった時は氷水などにつけて冷やすという方法が非常に有効なことが多いです。
理由としては、ガラスは熱による体積変化が少ないのに対し、テフロンは熱による体積変化が大きいため、冷やすことによりテフロンの体積のみが小さくなるからです。
最後に
中にはどうしても外れないスリというのも存在します。無理に外そうとすると怪我につながりますので、決して無理に外そうとしない方が良いです。
このサイト以外に、スリを外す方法を説明しているサイトもありますし、研究室の先輩などは思わぬテクニックを持っている場合もありますので、聞いてみると良いかもしれません。
どうしてもという場合は、ガラスのスリを外してくれる業者などもあると思いますので、そういったプロに依頼をすると良いと思います。