低分子の有機化合物を扱っている人にとって、高分子というのは馴染みのないものです。
今回は、高分子化合物の特徴について話していこうと思います。
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ポリマー(高分子)とは
ポリマーとは、低分子化合物(分子量数十~1000くらい)と比較して、さらに分子量の高いものを指します。だいたい目安としては分子量数万とかがポリマーではないかと思います。
だいたいにおいて繰り返し構造を持ち、例えばビニール袋などで有名なポリエチレンは下記のような構造を持っています。
ポリエチレンは最も単純な高分子であり、その名の通りエチレンが重合(ポリ)した化合物です。
今や人々の生活のいたる所にポリマーは存在し、生活に無くてはならない物となっています。
ポリマー(高分子)の特徴
・溶液の粘度が高い
低分子化合物では、例えば20%濃度の溶液はサラサラだと思います。しかし、ポリマーの種類にもよりますが例えば重量平均分子量(※)10万程度のポリマー溶液は、かなりドロドロのはちみつみたいになります。
重合しやすい低分子を扱っていて、反応中に反応液がドロドロになってしまったという経験がある人もいるのではないかと思います。それは、重合反応が起こってしまったことを意味します。
・再結晶は難しい
低分子化合物でよく精製に用いられる再結晶ですが、高分子は結晶化し辛いです。再沈殿ならできますが・・・。
・乾くとフィルムになる
高分子の溶液を、薄ーく延ばして風乾させると、透明な(モノにもよりますが)フィルムになります。ビニール袋はサランラップなどはこんな感じで作られているイメージです。
有機合成とはまた違った分野
ポリマーは有機合成で作られますが、一般的な有機合成とは一線を画した大きな分野となっています。低分子の合成で学んだ知識は、ほんの少ししか役に立たない気がします。
しかしながら、ビニール袋をはじめとし、フライパンのコーティングだったり、飛行機の機体に使われたりと、本当にたくさんの可能性がポリマーにはあると思います。
ポリマーにはポリマーの面白さがあり、企業でもけっこう潰しがきくような感じがありますので、興味のある方はこの道にチャレンジしてみても面白いのではないでしょうか。