今回は、アルデヒド化合物れについての紹介です。
アルデヒドとは、一般式ではCHOと表され、下図のような構造を言います。
スポンサーリンク
アルデヒドの特徴
アルデヒドは、比較的不安定な官能基です。裏を返すと反応性が高いため、合成中間体として有用です。
酸化によりカルボン酸を、還元によりアルコールを生成します。その他にも様々な反応を起こします。
長期間保存されたアルデヒドは、空気中の酸素等により酸化を受けている可能性がありますので、注意しましょう。
アルデヒドの合成
アルデヒドを合成するには、下記の方法が挙げられます。
・アルコールからの酸化
一級アルコールを、弱い酸化剤によって酸化することで、アルデヒドが得られます。実験室では、PCC(ピリジニウムクロロクロマート)を用いた反応や、Swern酸化、Dess-Martin酸化等の方法が挙げられます。
・エステル、アミド、ニトリルの還元
アルコールの酸化に比べ、還元によってアルデヒドを得るのはなかなか難しいです。水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL-Hとよく表されます)という還元剤を用いることにより、エステルや特定のアミド、ニトリルをアルデヒドに還元することができます。ただ、エステルをアルデヒドで止めるのはかなりかなり難しいという話も聞きます。
ちなみに私はベンゾニトリル系の化合物をDIBAL-Hで還元するという反応はやったことがありますが、割と綺麗に反応が行った記憶がありますので、ニトリルからの合成は現実的な方法だと思います。
アルデヒドの反応
アルデヒドの反応を一部下記に記します。
・カルボン酸への酸化
適切な酸化剤によって酸化すると、カルボン酸が得られます。
・アルコールへの還元
還元剤によって容易にアルコールが得られます。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)がよく使われます。経験的に、反応は非常に綺麗に進行します。
・wittig(ウィッティヒ)反応
アルデヒドと、ホスホニウム塩と塩基(Base)から生成するリンイリドとの反応により、アルケンが合成できます。この反応は、アルケンの合成の際には恐らくファーストチョイスと言うべき重要な反応であり、私もやったことがありますが収率も良いです。