今回は、有機化合物の基本構造であるアルコールについてです。アルコールと聞いて、まず思い浮かぶのはお酒でしょうか。お酒の中には、エタノールが含まれています。エタノールは下記の構造をしており、構造中にOH(ヒドロキシ基と言います)を持っています。

アルコール

 

 

上記のエタノールのように、分子内にOHを持つ化合物を総称して、アルコールと呼びます。

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アルコールの種類

アルコールは、そのOHが結合する炭素原子にいくつの炭素原子が結合しているかによって、第一級、第二級、第三級の3つに分類され、それぞれ反応性が違います。

●第一級アルコール

上で述べたエタノールのように、OHが結合する炭素原子に一つの炭素原子が結合しているものを、第一級アルコールと呼びます。例えば下のようなものが第一級アルコールに当てはまります。

一級アルコール

 

 

 

 

ちなみに、メタノールはOHに結合する炭素には、一つの炭素原子も付いていませんが、これが第何級になるのかは私もはっきり分かりません。分かる方いらっしゃいましたら教えていただきたいですね。

 

●第二級アルコール

OHが結合する炭素原子に二つの炭素原子が結合しているものを、第二級アルコールと呼びます。例えば下のようなものが第二級アルコールに当てはまります。

二級アルコール

 

 

 

 

●第三級アルコール

OHが結合する炭素原子に三つの炭素原子が結合しているものを、第三級アルコールと呼びます。

例えば下記のようなものが第三級アルコールに当てはまります。ちなみにtert-ブタノールというのは慣用名になります。

三級アルコール

 

 

 

 

級数の違いによってどんな違いがあるのか

アルコールの級数が違うことにより、反応性が大きく異なります。

例えば、アルコールの反応として重要な、HClやHBrといったハロゲン酸によるOH→Cl、Brといった変換反応の速度は、第三級>第二級>第一級の順になります。なぜかというと、第三級アルコールが最も中間体のカルボカチオン中間体の安定性が高いからです。

また、酸化剤を用いることによるアルコールの酸化反応の速度は、反対に第一級>第二級>第三級の順になります。こちらは第一級アルコールが最も立体障害が少ないからと考えられます。

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