有機合成の反応では、試薬を少しずつ加えたいことが多々あります。そんな時に便利なのが、滴下ロートという器具です。
そんな滴下ロートですが、途中で止まってしまうことが多いんですよ。
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滴下ロートとは
例えば、n-ブチルリチウムによるリチオ化は、かなりの発熱反応であり、なおかつ中間体のリチウム化合物が熱に不安定です。そのためn-ブチルリチウムを少しずつ滴下することによって、液温の上昇を防ぎます。
そんな時に使うのが、滴下ロートです。滴下ロートは下記のような構造をしています。(正確には下の絵は等圧滴下ロートと言いますが)
コックの開度によって、滴下の速度を調節することができるので、安定すればしばらく放っておいても大丈夫です。
しかし使ったことがある人は分かるかもしれませんが、この滴下ロートというのは途中で滴下速度が変わります。ゆっくり滴下していた場合は止まってしまうことも多くあります。
なぜそうなるかというと、液を滴下していくとロート内の容量が減りますので、コックより下に行こうとする力が弱まるためです。
ではどうすればいいのか?というと、私も正直なところこれといっていいアイデアがありません。定期的に様子を見ながら滴下を調節するしかないのかなあと思っています。
もし何かいい方法をご存知の方がいらっしゃいましたら、お知らせ頂けると嬉しいです。
まあ滴下ロートは過信せずに、止まるものだと思って使うことが大切ということですね。