有機合成反応を行う際、還流条件で反応を行うことは多いと思います。その時に使用するのがジムロートなどの冷却装置ですが、冷媒として水道水を使用しているところは多いのではないでしょうか。
ジムロート+水道水で還流を行う場合、水流が途中で弱まってしまうことがあります。特に、水道代節約のためなどの理由によって最低限の水流で行おうとしている時は注意が必要です。
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水流が止まってしまう理由
ではなぜ水流が途中で弱まってしまうのか。それは水道の蛇口の構造に理由があります。水道の蛇口というのは、パッキンを押さえつけることによって水をせき止めており、蛇口を捻ることでパッキンと水道管の間に隙間ができて水が流れます。
しかし、パッキンというのは変形させると元に戻ろうとする性質があります。蛇口によって押さえつけられていたパッキンが、蛇口を捻った後に徐々に元の形に戻って行ってしまうことにより、徐々に水流が弱くなり、最悪水流が止まってしまいます。
下に絵を描きました(図はイメージです。実際の蛇口の構造とはかなり異なりますのでご注意ください)
水が止まるのを防ぐためには
水流が止まってしまうと、冷却が十分になされなくなり、溶媒がどんどん蒸発して行ってしまいます。そうならないように、次の2点に気を付けましょう。
・水の流しはじめは気持ち強めにする
・水を流しはじめてからしばらくはちょくちょく様子を見る
パッキンが元の形に戻り終わってしまえば、それ以上水流が弱まることはなくなります。私の感覚的なものですが、だいたい10分くらいすると水流が安定してくるような気がします。それまでは水がちゃんと流れているかどうか気を配ってあげてください。
かといって水流を強くしすぎるとゴムホースとジムロートの繋ぎ目が水圧に負けて外れてしまうことがありますので、その辺は適度な感じを掴んでください。