反応を行う際に条件を決める必要がありますが、大事な条件の一つが反応液の温度です。最適な温度は行う反応の種類、用いる基質によって異なります。

自分が行う反応は加熱するべきか、はたまた冷やすべきか、よく考えて温度を決めましょう。

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加熱の必要性と注意点

反応の際に加熱する一番の理由は、反応の進行を促進するためです。一般的に有機反応は温度が高いほど反応が速くなります。加熱しなければ反応が全く進行しないこともあります。

ここで注意する必要があるのが、副反応も促進されることです。反応が早くなるからといってなんでもかんでも温度をかけると、不純物も増えてしまう恐れがありますので気を付けましょう。

また、基質や生成物が不安定だと分解が進むこともあります。

★還流条件
よく実験室で見られるのが、溶媒の沸点よりも熱媒の温度を高くして冷却器を取り付け、溶媒を沸騰させながら反応を行う条件です。反応液の沸点で温度が維持されますので、温度コントロールが容易で、反応の再現性が高いです。

冷却の必要性と注意点

基質や中間体、生成物が熱的に不安定な場合、もしくは副反応を抑制したい場合に反応液を冷却します。

例えば下記の反応の場合、-78℃などの低温で反応を行うことが多いです。理由としては、中間体のフェニルリチウム化合物の反応性が高く、不安定なためです。

ブロモベンゼン→ベンズアルデヒド

冷却の際、冷媒の種類として色々とありますので、下記に一例を載せます。まあ低温で温度コントロールしてくれる機械があるならそちらの方が確実でしょうが・・・。

・0℃・・・氷水
・~-21℃・・・氷+塩
・-40℃・・・アセトニトリル+液体窒素
・-78℃・・・アセトン+ドライアイス
・-98℃・・・メタノール+液体窒素

いずれも放っておくと気づいた時には温度が上がってた!なんてことになりますので、適度に様子を見てあげてください。

まとめ

反応の温度を何℃にするかというのは一概には言えませんが、定石みたいなものはあります。まずはその定石(参考論文など)をやってみて、問題がありそうな場合は修正すると良いと思います。

 

 

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